SUSTAINABILITY
私たちイーオクトが考える「サスティナビリティ」とは、難しいことではなく、
誰もがただほんの少し、日々の暮らしを、消費行動を見直して、行動を変えること、進化すること。
北欧パートナー企業訪問記 その8(KLIPPAN_4)
1897年の老舗テキスタイルメーカー「KLIPPAN」本社を訪ねてinスウェーデン<クリッパン>(村上編)
こんにちは。広報の村上です。
訪問記も回数を重ね、初めてのかたもおられるかもしれませんので、今回は簡単におさらいからスタートしますね。
このブログは、2017年9月に北欧出張に行ってきたイーオクト社員3人が、各自概ね時系列で、それぞれのタスクと感性に沿って出張時のことをレポートしています。営業部長の加藤、仕入れ担当の木田、そして私広報の村上が、商品の仕入先、パートナー企業との商談のほか、現地での売り場の様子、北欧の暮らし、文化についてそれぞれの視点からご紹介。国ごとでまとめて読んでもいいですし、それぞれのパートごとでご覧いただいてもかまいません。私たちのこと、私たちのパートナー企業のみなさまのこと、また北欧好きの方は、それぞれの国について、少しでも興味を持っていただけると心からうれしく思います。
さて、本日村上パートは出張3日目に訪れた、スウェーデンの老舗テキスタイルメーカー「KLIPPAN」本社へ向かったときのことをご紹介します。
さあ、KLIPPAN社のあるKLIPPAN街へ!
翌日、出張3日目はスウェーデンマルメから、
KLIPPAN5代目社長 ペッテル・マグヌッソンさんの運転で北へ約1時間。
KLIPPAN本社のあるKLIPPAN街へと向かいます。
くねくねと続く田舎道は、手を伸ばせば届きそうなほど間近に
牛や羊が放牧され、豊かな自然が広がります。
道行く途中には白樺があちらこちらに高くそびえ立ち、
葉っぱのグリーンと白い木肌のコントラストがとっても美しく、
北国ならではの景色に心が洗われるようでした。
ここは、KLIPPAN街への入り口です。
KLIPPANというのはスウェーデン語で「岩」という意味。
かつては良質な岩の産地だったのだとか。
KLIPPAN社はこの街とともにその歴史を刻んできたそう。
ペッテルさんからは、
「会社の歴史は、街の人たちからすべて教わったよ」と伺いました。
幼いペッテルさん、妹のパニラさんが、
街の人たちに見守られて成長した様子が目に浮かびます。
KIPPAN社と街との、深く強い繋がりは、
タウンホール(市役所)の入り口に街のシンボルとして掲げられている、
KLIPPAN社のブランケットからも伝わってきました。
嬉しいのは、掲げられているブランケットの柄が、
日本のブランド ミナ ペルホネンのデザイナー
皆川 明さんが手がけられたデザインだということ。
私自身も大好きなこのデザインを、
日本から遠く離れたスウェーデンの人たちと一緒に「素敵だね」って言えるなんて!
この「House in the Forest」は、
初めてデザインが発表された年に、世界で一番売れたブランケットとなり、
今ではスウェーデンの名だたるデザイナーとともに、
KLIPPANブランケットを象徴するデザインとなっています。
これって、本当に誇らしいことです!
このデザインを守り、その魅力を伝えていくのが、
私たちの使命であることを、この時に再認識したのでした。
「House in the Forest」は
ecomfortのonlineサイトから購入できます!
https://www.ecomfort.jp/SHOP/KP890581.html
KLIPPAN街を訪れるならぜひ立ち寄ってほしい場所
タウンホールの他にもう一箇所、
KLIPPAN街を象徴する建物が1966年に建てられた「聖ペトリ教会」です。
皆川 明さんもKLIPPANのデザインを手がけられる前に訪れたというその教会は、私が今まで見たどの教会とも似つかない、素朴で小さな、けれどもとても丁寧で緻密な手仕事が垣間見れる、力強い建物でした。
ダークブラウンのレンガはさほど高さがなく積まれ、
よく目にする教会独特の鋭利な三角屋根はどこにも見当たりません。
ヨスタさんに「教会だよ」と言われなければきっと分からなかったでしょう。
この教会の魅力は、シンプルで無駄のない、
こだわり抜いた建築美にあるとヨスタさんに教えていただきました。
例えば、この教会の窓には窓枠がありません。
枠をつけないデザインにすることで、
外から見るときは無駄な凹凸が出ないシンプルな見た目に。
中から外を見るときは、窓を感じさせない吹き抜けのような空間が広がり、
まるで空が一枚の絵画のように切り取られ、飾られているようです。
他にも建物中央に向かってだんだんと坂になっていることで、
祭壇がどこからでも美しく見られる。
少し斜めにしつらえた椅子に座った時の視線の先のデザイン。
などなど、実際に触れて感じることで、思いもよらない発見があります。
もしKLIPPANを訪れることがあれば、ぜひ目的地の1つに加えてみてださい。
話はそれますが、こちらは協会を後にするときに出会った風景。
北欧では、ベビーカーを男性が引いている様子をよく見かけました。
KLIPPANのサスティナブルなオフィス&倉庫見学
さて、いよいよKILPPAN社の紹介です。
KLIPPAN社はオフィスと倉庫がKLIPPAN街に、
ブランケット製造工場がラトビアのリガと、別々の場所に位置します。
ここでは「オフィス&倉庫」の様子について。
KLIPPAN社の従業員は工場もあわせて約100名。
女性:男性が6:4というバランスです。
本社はビジネスの骨子であるデザイン&ディレクションや
各国への出荷、経理部門などを構えています。
ショップも併設し、最新の商品から過去のデザインまで、
KLIPPAN社の製造するほぼすべての商品を購入することができます。
こちらは新作が並んでいるコーナー
こちらは本社併設の販売店
オフィスは1・2人の個室に部屋が分かれています。
部屋は家族の写真を飾ったり、好きなファブリックを壁にかけたり、
植物をおいたりとレイアウトはさまざまで、
各自リラックスできる空間に仕上げているのは、
Dykon社のオフィスと共通していることだと思いました。
次に倉庫へ向かいます。ここでは棚番号を振った商品陳列棚から、
発送先ごとに各自が商品をピックアップして箱詰めをしています。
全体に古い建物のため増築や補修も見られましたが、
創業当時からそのままの壁も残っています。
KLIPPANでは仕事内容が横断することはなく、
きっちりと役割を分けているそうです。
それはフォローにまわりにくいというデメリットもありそうですが、
一方で、その仕事をまっとうするという責任が各自にあり、
この責任感がプロフェッショナルな仕事へと繋がるという
メリットも非常に大きいと感じました。
実際ペッテルさんは「社員のことを100%信頼している」と
語ってくれており、さらに、
「社員の健康を守ることは、私の一番大切な仕事」という言葉まで。
それらの言葉は強烈に心に残っています。
社員の健康を守る「3つ」のオフィス家具
社員の健康、生産性を上げるためKLIPPAN社では3つのオフィス家具が活躍しています。
1つ目は「昇降式デスク」。
これはDykon社にも設置されていた、
デスクを電動で上げたり下げたりすることができるデスク。
北欧では1970年代から、スタンディングワークを取り入れているそうで、
「昇降式デスク」の導入は一般的なようです。
社員は立ったり、座ったりすることで集中力を保ち、
さらに肩こり、腰痛に悩まされることなく仕事を進めることができます。
これは倉庫でピッキング仕事をしている従業員も同様に支給されており、
自分の身長に合った高さでそれぞれ作業をしていました。
2つ目は「椅子」。
正しい姿勢でないときちんと座れない椅子を導入することで、
姿勢を崩すことで生じる体の不具合を軽減しています。
3つ目は「防音の壁」。
同じ部屋を2人で共有する場合、
それぞれの話し声が仕事の妨げにならないように、
音を吸収してくれる壁を採用しています。
ちなみに、社員の健康について教えてくださった
ペッテルさんのオフィスは一番散らかっていて、
少し不健康そうでした・・・苦笑
それにしてもレンガ造りのなんて素敵なオフィス!
話を戻しまして、スウェーデンには「Fika(フィーカ)」という
お茶の文化があり、この文化も健康と生産性に
非常に関わりが深いと感じました。
Fikaは日本のコーヒーブレイクに似た時間で、
スウェーデンではもっと頻繁に、また、
誰かとのおしゃべりを楽しみながら休憩します。
人間の集中力は長くても1時間程度。
そのことを十分に理解している北欧の人々。
緩急をつけながら仕事をするのが、北欧の働き方なのです。
KLIPPAN社には、オフィスや倉庫、
店舗にも「Fika」コーナーが設けられており、
カラフルなグミがボウルいっぱいに用意されていました。
私たちが見学を終えて帰るころ、いっぱいだったグミのボウルが
見事に空っぽになっていたことが忘れられません!笑
みんな甘いものが大好きのようです。
見学や商談が終了したのは定時の16時を少し過ぎた頃。
あんなに活気のあった倉庫、オフィスはものけのから。
きっちり定時上がり!素晴らしい文化です!
私たちもいそいそと本社を後にして、コペンハーゲン空港へ。
明日はラトビアにあるKLIPPAランケット製造工場の視察です。
最後に、緑いっぱいのKLIPPAN街の写真を!
次回はラトビア工場の様子などをお伝えします!
お楽しみに!
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