SUSTAINABILITY
私たちイーオクトが考える「サスティナビリティ」とは、難しいことではなく、
誰もがただほんの少し、日々の暮らしを、消費行動を見直して、行動を変えること、進化すること。
第6回 Scandic Hotel
スカンディックホテルのサスティナブルビジネス(1)
スカンディックホテルの概要
スカンディックホテルは、スウェーデンでビジネスホテルのチェーンとして1963年に創設されました。
スカンディックホテルJarva Krogの外観
現在は、スウェーデン、デンマーク、ノールウエー、エストニア、ドイツ、オランダ、ベルギー、ポーランドと8ケ国に合計160のホテルを持つ大手ホテルチエーンとして事業展開をしています。
ホテルの全部屋数は29,910、社員は、6,600人です。高級ホテルではありませんが、ホテルのサービスの質は高く、快適です。中流より上のビジネスホテルという感じです。
ホテルは、高速道路のすぐ側に位置していたり、街の中心部にあったりといろいろです。
部屋の料金は、ホテルの位置やスタンダードによって多少違いますが、15,000円~30,000円くらいが平均です。
サスティナブルビジネスのサクセスストーリー
スカンディックホテルは、スウェーデンにおけるホテルチエーンとしては、最も早くから環境に取り組んでいます。
ソンガ・セービーと同様、90年代のバブル経済がはじけた後、赤字が続き、倒産に近い状況でした。
その時、新しく就任した社長が、ナチュラル・ステップ創設者のカール・ヘンリク・ロベール博士の環境セミナーを聞いて、「これだ!」と思ったそうです。
スカンディックの環境ルーム。鏡以外は全てリサイクルできる。
つまり、環境で新しいブランド価値を作り他のホテルと差別化することを方針にしたのです。
1993年、スウェーデン国民の環境意識がようやく高まり始めた頃でした。
最初、「顧客の環境意識は、まだ、そこまで高くないので環境で差別化することはリスクだ」と社長の新しい方針に反対する幹部社員もいたそうですが、今では彼のその時の決断に感謝していることでしょう。
スカンディックホテルの赤字は数年で黒字に転換し、その後の先進的な環境対策と近年は、社会性もしっかり事業の中に打ち出して、ブランド価値を高めてきました。
2001年から5年間は、ヒルトンホテルがスカンディックホテルのオーナーでした。しかし、スカンディックホテルの環境ブランドが定着していたので、スカンディックホテルの名前はそのまま使っていました。そして、ヒルトンもスカンディックの影響を受けて、環境対策を始めました。
しかし、2007年には、北欧最大のリスクキャピタル投資会社EQT Partnersの投資を受け、再度、独立した会社として事業をするようになりました。
スカンディックホテルでは、環境と利益は密着
スカンディックホテルでは、一般的にはCSR部長という肩書をサスティナブルビジネス・マネジャーに変えています。
それは、環境も、CSRも、慈善事業で取り組んでいるのではなく、しっかり事業の中に取り入れビジネスとして利益を上げていることを示しているのです。
総括的な環境目標
環境指針は、ナチュラル・ステップのフレームワーク
スカンディックホテルは、“ナチュラル・ステップが環境対策において水先案内人”であるとホームページに書いています。
90年代環境対策を採り始めた時、ナチュラル・ステップの研修をホテルの全従業員が受講し、環境意識を高めることから始めました。
そして、その後は環境戦略や対策の相談相手としてナチュラル・ステップとずっとパートナーシップを持って、協働してきました。
5つの分野の目標
スカンディックホテルのサスティナブルビジネス・マネジャーのInger Matsson(インゲル・マッッソン)さんは、電話インタビューでこう語りました。
総括的なビジョンは、スカンディックが環境面と社会面でサスティナブルな社会の構築に貢献することです。
「スワン」認証のレストラン
スカンディックホテルのチェーン110のホテルが、北欧委員会の環境ラベルの「スワン」を認証しています。2006年の秋に、北欧で最初の環境ラベル「スワン」認証のレストランが誕生しました。
二酸化炭素の測量計。二酸化炭素の量が多くなると空気を換える。
そして、2007年からは、化石燃料に由来する二酸化炭素をゼロにすることを目標に活動をしています。
総括的な環境目標は、5つの分野です。
1.地球温暖化防止
2025年には、化石燃料に由来する二酸化炭素をゼロにする
2.ホテルの環境ラベル
スカンディックホテルの全ホテルが環境ラベルを取得
北欧の国では、北欧委員会の環境ラベル「スワン」を取得
他ヨーロッパでは、EUの環境ラベル「EUフラワー」を取得
3.環境に配慮したホテル建設、改築、改装
スカンディックホテルは、これらにおいて全て独自の環境基準を設けて取り組む。
4.資源利用の効率化
ゴミの資源化は、96年から取り組んできているが、常に効率化を進める。
ホームページの上で、1996年からどれだけ省資源してきたかを外部の人ががライブで見られるようになっている。エネルギー、分別した後に残ったゴミの量、水の使用量、化石燃料に由来する二酸化炭素の4分野でチエックが可能。
Sustainability Live Report
5.社員教育
環境対策を始めた頃、11,000人の従業員が環境教育を受けた。その後も、全従業員が、サスティナビリテイの対策に積極的に参画するよう、全従業員に対してサスティナビリテイの教育を行う。
2000年代からは、CSR、特に社会性に関して力を入れてきています。
例えば、障害を持っているお客さんも安心して泊まれるホテルにすることを目指して、様々な対策をしています。
これは慈善事業ではなく、しっかり利益につながるビジネスになっています。
イーオクトのすべての軸である「サスティナブル」について、詳しくご紹介します。

わたしたちのサスティナビリティへの幕開けは1990年10月から。イーオクト代表、高橋百合子による環境先進国スウェーデンの「リサイクル社会を実現するための環境機器」輸入事業開始…