SUSTAINABILITY

私たちイーオクトが考える「サスティナビリティ」とは、難しいことではなく、
誰もがただほんの少し、日々の暮らしを、消費行動を見直して、行動を変えること、進化すること。

INTERVIEW :第2回(2011.02.10)

第2回(株)生活の木 重永忠代表取締役(後編)

圧縮減容機を基軸に環境トータルソリューションを提供するエンヴァイロテックと、サスティナブルなデザイン商品の輸入・卸を手掛けるオフィスオクト。両社のコーポレイトサイトで、両社の製品を利用することを通じて環境負荷を低減させる事業活動を展開する企業をご紹介するウェブ連載「見つめ直す企業の社会責任」を1年間にわたってお送りします。

第2回は、私たちと同じく表参道で事業を営む「生活の木」の代表取締役、重永忠さんに引き続きご登場いただきます。同社は、岐阜県瑞浪市の商品本部でオーワック社製の圧縮減容機を導入。社内で出る古紙を圧縮して古紙業者に送り、商品発送用の段ボールケースにリサイクルしています。

ハーブティーやアロマオイル、オーガニックコスメなどを通じて、自然の恵みを生かして人々を癒す製品を提供する生活の木。重永社長は、中小企業であっても環境に配慮した事業活動に一歩踏み出すことができると断言します。成功のカギは、「何のためにやるのか」ということについて、常に社員とコミュニケーションすることにあるようです。

 

圧縮減容器の導入を通じて、社内はどんな風に変化しましたか。目に見える改善などはありましたか。

圧縮減容機は、弊社のリサイクルシステムにおいては、先にお話しした紙リサイクルの重要な役割を担っています。しかしそれは、コストを節約するという意味ではありません。

というのは、圧縮減容機はコスト削減効果がとても高いのですが、弊社の場合、コストの節減というアプローチからリサイクルに取り掛かるとうまくいかないのです。なぜなら、生活の木はあらゆるものを循環させる中で自然の恵みを得ているわけですから、そこにコストを削減するという概念はそもそもなじまないのです。むしろ弊社に必要なのは、循環させる仕組みを作るために積極的に投資するというマインドです。

瑞浪市の商品本部ではバイヤー、ピッキング、物流などそれぞれの部門でQC活動を行っており、3ヶ月ごとに発表会を開いています。私は毎回その場で、今お話しした弊社のリサイクルに対する考え方を従業員に説いています。こうした取り組みの中で、社員も「わが社は単に利益を出すのではなく、地球環境を守る会社でもある」と理解していくのです。

また、弊社の570人の従業員には、仕事の中で出来ているリサイクルを家庭でも実践できるよう、「私のチャレンジ宣言」をさせています。公私混同の逆で、地球人として当たり前に循環を実践できる「公私同一」をめざすことで、地球環境を守るという弊社の理念をお客様に共感していただき、また喜んでもいただきました。

 

圧縮減容機の導入が、生活の木の循環システムに貢献することを通じて、従業員の環境意識を高め、顧客の共感も生んでいるということですね。この点は他の企業にとっても大いに参考になると思います。

大事なことは、圧縮減容機もさることながら、それを使う人間のマインドだと思います。利益優先のマインドを変えることが、ユーザーの共感を生み、逆説的にはなりますが、新たな利益を生むのです。

 

さて、「生活の木エコチャレンジ」の次の一歩はどこに向かうのでしょうか。

ハーブに代表される植物の恵みは、持続的に利用することで、収穫してもまた育ちます。植物との持続的なかかわりの中で、自然へのリスペクトも育つのだと思います。

こうした考えから、弊社では原料となる植物を生産地に植樹する活動「世界に生活の木を植える」をガーナで始めています。工場で使用する30万kWの電力をグリーン電力でまかなう取り組みも続けています。

現在新たに構想しているのは、工場や物流センターにハーブガーデンを併設して地域に開放する「ファクトリーガーデン」の試みです。ここに来ることで心が豊かになるような場所にしたいですね。

私たちの会社は決して大企業ではありませんが、中小企業でもここまでできるんだということを示したいと思います。

 

素晴らしいですね。しかし現状では、そうした思いを持ちながら最初の一歩を踏み出せない中小企業もまた多いと思います。その背中を後押しするために一言。

例えば、新卒採用の学生で多いのは「CSRをやっている会社に入れば自分もその中で役立てる」と思っている人ですが、それは勘違いです。順序が転倒しています。そうではなくて、一人ひとりがどんな一歩を踏み出すかで会社は決まるのです。一人ひとりのアクションの集積がCSRであって、その逆ではありません。もっとも、経営トップによる方向づけは大事ですが。

企業として本業の向かっていく先、つまりどのように社会と環境に貢献するかということをはっきりさせて一歩一歩と積み重ねれば、大きな成果となります。それを30年続ければホンモノですね。

 

企業活動において地球環境を重視している点では、生活の木とエンヴァイロテックは共通しています。しかも両社とも表参道に事務所を構えていますね。エンヴァイロテック、そして姉妹企業のオフィスオクトに同志としてのエールをお願いします。

まさにお話いただいたように、同じ地域で同じ志を持って活動していますよね。志のタッグと言えばよいのでしょうか。そうした連携はとても大事だと考えています。

弊社とエンヴァイロテック社は、世の中の何を変えたいのか、という志でつながっています。これからの時代は志こそが、企業の強みになります。最近、弊社では大企業とのコラボレーションの案件が出はじめていますが、これも確固とした志があるからこそと言えるでしょう。

弊社は人、動植物、次世代、地球に対して世界一思いやりのある企業になることを目指しています。エンヴァイロテック社とはこの志を共有して、共に歩んで行きたいですね。また、オフィスオクト社の「エコマーケット」は日常密着型のエコ商品、生活の木と相通じるものがあります。
商品を共同開発したり、マーケティングやエコを伝えることなど協働できると思います。

 

最後に、生活の木から春のおすすめ商品をご紹介下さい。

春は新たな出会いが生まれる大事な季節ですが、「春眠暁を覚えず」のことわざ通り、不意に眠くなりがちです。眠気を払うには清涼感のあるミントのアロマが効果的ですが、携帯可能なアロマ家電「テンミニッツアロマライト」があれば、仕事や勉強の合間に香りを楽しめるので便利です。コーヒーブレイクではなく、この春はアロマブレイクを楽しんでみてください。

 

今日はありがとうございました。
次回は新たなゲスト登場!5月末にお届けします。どうぞお楽しみに。

重永忠さん(株式会社生活の木 代表取締役)

重永忠さん(株式会社生活の木 代表取締役)

1961年 東京都渋谷区 原宿表参道に生まれる。
1978年 有限会社 陶光 (現 株式会社 生活の木)に従事。
現在 株式会社 生活の木 代表取締役、TREE OF LIFE (PVT) LTD. 代表取締役(Sri-Lanka)、TREE OF LIFE TRAVELS (PVT) LTD. 代表取締役 (Sri-Lanka)、生活之木 有限公司 代表取締役(台湾)、商店街振興組合 原宿表参道欅会 専務理事、日本アーユルヴェーダ普及協会 代表、社団法人 流通問題研究協会 監事。

株式会社生活の木

1978年以来、ハーブ、アロマテラピー文化を創造し、現在では2,500アイテムの商品、「生活の木」「ハンドメイドギルド」など8業態の直営専門店を開発してきた。現在全国に直営店100店、提携店80店を展開。海外は台湾に3店舗。原料を35か国から約300品種を直接輸入。スリランカではアーユルヴェーダを行うホテルも運営している。
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